2018年10月20日 子ども、家族支援のこれからの課題
講師:汐見稔幸(東京大学名誉教授 白梅学園短期大学前学長)
現在、保育園が子育て支援として長時間保育、一時預かり、園庭開放など
地域に対して多くの支援を展開しています。
1994年には仕事と子育ての両立支援、産み育てやすい環境づくりに取り組むために支援を考えましたが、
しっかりとした定義や専門的な構築がないまま、親のニーズに答え、保育園や民生委員に投げかけ、
その結果、保育園が保育以外の仕事を抱えることが増えました。
また、いろいろな講座や本等で、「子育てとはこうでなければならない」という上から目線の言葉に、
子育てが大変という悩みも多くなり、子どもを持ちたいと思えなくなっている人が増えています。
汐見先生がよく話される昔の子育ての環境、隣近所の助け合い、自然と遊べる環境なども
現在は少なくなってきており、自分で考えて作り出して遊ぶ姿、相談し合う姿なども減り、
親の手伝いをし、家族の一員であるという自覚、支え合う場という形も変わってきています。
孤立している家庭、不安定な社会に自分の思う通りにならないイライラ、
それを相談、発散させる場がなく、家庭の中に持ち込み夫婦間や子どもにあたってしまうなど
虐待も増加しています。そんな環境を変えるために、何ができるか。
保育園だけではなく、地域市民の力、母親だけではなく父親の育児参加、群れて遊べる場づくり、
子どもの自主性を育てる環境づくり、そして人材育成が必要だということなどを考えさせられました。