2018年9月8日 不登校をどうとらえるか(問題の所在はどこか)
講師:池田 賢市(中央大学文学部 教授)
不登校と聞くとどんなイメージを持つでしょうか?
私は我が子が入学式から3日で不登校になったとき、
母親としてダメ親の烙印を押された気持ちになりました。
そこから抜け出すためにありとあらゆる事をしなければという焦りもありました。
子供の気持ちは果たしてどんなものだったのか、胸が痛みます。
当時、担任も教頭も校長も、そしてカウンセラーまで、子供が安心して通える状況を作るより、
一緒に行動できないなら支援級をとすすめ、学校が怖ければ親子で校庭を一周しなさいとまでいわれ、
納得のいかない対応に頭を悩ませました。
ありがたいことに、娘が通える学校が見つかり、2学期から通い始め、
すったもんだはありつつも現在も通っています。
先日、下の子が入学式を迎え、毎日楽しいといっているのを見て、
「いいなぁ私も1学期を過ごしたかった」と口にしました。
彼女は本当に学校に行きたかったのだと改めて思います。
講座を受けて、暗いトンネルのようだった不登校が、少し違った印象になりました。
不登校は本人の責任ではないこと、学校が一定の子どもを拒否している現状、
排除の論理など、学校という組織の問題点が見え、ナルホドと納得でき、
当時私が抱いたモヤモヤが何だったのか、ハッキリしたのです。
子供の性質を問題にしなくてよいのだ、私自身を責めなくていいと、今は思えます。
法律の問題など普段あまり気にしていなかったことが、実は大きな問題をはらんでいること、
そのことに気づかず生活していたことなど、私には目からウロコでした。
一個人として何ができるか、まずは問題意識を持つところから、そんなことを感じた講座でした。